『あなたの大町物語。』終了レポート
psycho-lot+(psycho-lotとATL)と、大町水物語によるコラボレーション企画の終了レポートです。
■日時:2009年5月30日(土) 14:00-17:00
■場所:長野県大町市/水をめぐるスポットと創舎わちがい
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「人」という漢字は、互いに支えあう人間の姿をあらわした象形文字だと言われています。どんなに優れた発明品も、それを理解し使ってくれる第三者がいなければ存在しないに等しいと言えます。ATLでこれまで開催してきたワークショップにも同じことを感じています。参加し、ATLの理念を少しでも感じて下さる方がいらっしゃらなければ何の意味もありません。今回のワークショップでは特にそんなことを痛感しました。生活圏を遠く離れた長野県大町市。そこにも心温かな参加者のみなさんがいて下さいました。本当にありがたいですね。
■ご挨拶・自己紹介■
創舎わちがい前さんに集合した参加者のみなさんと、堀堅一さん(大町水物語)、山本純生さん(psycho-lot)亀田(ATL)。先ずは簡単に堀さんから開催のごあいさつと、山本さん、亀田の自己紹介。そのあとはすぐに大通りから路地を入った場所に移動、参加者のみなさんの自己紹介もいただきました。表通りの喧騒からたったの30秒、そこにはポッカリとした小さな空地が広がっていました。気分はまるで路地裏探検隊といったところでしょうか(笑)。「うなぎの寝床」と呼ばれる住居形式が今も残る大町の商家の名残りです。
■水をめぐるガイドツアー■
堀さんが用意をして下さった「あたなが歩いて作る、あなただけの地図にあなたの足跡を記す。」という、ちょっと長めのタイトルがついた地図を片手に、参加者みんなで大町の江戸時代を偲ぶ旅に出発しました。この旅のポイントは下記のとおり。
・大町市内の古い致命、古い道筋の名前
・飲み水の川
・生活用水の川
・町屋造りの建物
・なぜ家の下を川が流れているのか
堀さんは水に関するスポットをめぐりながら、大町の歴史や文化についてわかりやすくガイドしていきます。今回の参加者の多くの方は地元出身の方だったのですが、「こんな場所があったなんて、知らなかった!」「…懐かしい、そういえば昔来たことがあったかな。」というような意外性を口にされた方がたくさんいらっしゃいました。
堀さんにご紹介していただいたエピソードは次のようなものでした。
昔、大町には3つの川が流れていたそうです。町のまん中を流れていた川は、生活羊水として使われていたとのこと(生活用水とは、洗い物をしたりする水のことですね)。その真ん中の川をはさんで東側の川(女水と呼ばれる水源)と西側の川(男水と呼ばれる水源)があり、その2つの川は飲み水として大切に使われていたのだそうです。商家の多かった当時の大町では、税金を安くするために(当時は建物の間口の広さで課税額が決められていたそうです)間口が狭く、通りの奥へと向かって建物が伸びていくスタイルになっていき、その結果住宅が川をまたぐ(=家の中を川が流れている)ということになったとのことでした。
参加者のみなさんと楽しく会話しながら、水めぐりをしながら歩いていると心も身体も深くリラックスしていくように感じました。今年のワークショップのテーマでもある「プラス、リラックス」が実現できたようで、とってもうれしかったです。
■アートワーク■
想いを言葉にするための小さなヒント集
今回のアートワークは、たった今歩いてきた大町の空気を言葉にする試みでした。文章を書くことが苦手な方を想定して考えたワークです。
1.モヤモヤした状態から、近いものを選んでみよう(色の力を借りて)
私は、生まれたばかりの感覚を言葉という記号に変換することはかなり難しいのではないかと思っています。手紙や感想文やレポートなど、伝えたいことはあるけどなかなか書き出せないという状態などが近いのではないでしょうか。でも、何となく気持ちに近い「色」を選ぶことなら、まだ易しい。このワークでは、47色のハート型のカードから、「今の自分の気持ちに近い色」のカードを5枚選んでいただきました。ある方から「心理テストですか?」というご質問を受けましたが、決してそうではないのです。目にも見えずふれることも出来ない「感覚」と、目には見えるけど触ることの出来ない「色」との間にある親和的な要素を使って、想いを言葉にするための前準備をしたいだけなのです。イメージしたのは、印象派の絵画技法かな。
2.印象的だったことについて書きだそう(感覚と言葉を結んで)
次に、それぞれ選んだ色のカードにめぐり歩いた中で印象的だったことを言葉にして書き出していただきました。色の印象を使って、自分の中で漂っている感覚を言葉に置き換えてみたのです。書きだす言葉は何でも構わないのです。自分の中で印象的だった大町を思い出せればそれでOK。私の場合ですと、「雨宿り」「バイク」「象の鼻」「笑顔」「カッコウの声」など。ワークショップがはじまった直後に聴こえた「カッコウの声」に感激し、参加者のみなさんの「笑顔」にうれしくなり、「象の鼻」と呼ばれるお堂の前の小さな水源の不思議な印象、突然の雨にみんなで造り酒屋さんの軒先での「雨宿り」と、酒蔵の杜氏の方がジープで戻ってきて、お友達の何台ものバイクとともに酒屋さんの奥に消えていった驚きなどがこの言葉によって再現できるのです。
3.出てきた言葉をつかって、ストリーテリング(断片からストーリーへ)
ストリーテリングの定義はいろいろありますが、今回のワークショップでは大町の水めぐりを通して感じたことを語ること=あなただけのストリーテリングということにして、それぞれの感想などを語っていただきました。初めての試みで、途中紆余曲折もありましたが(笑)、次のようなテーマで物語が出来たようです。
・未来の大町/こうなったらいいなを語ろう
・今日の出来事から感じたこと/5つの言葉から生まれたポエム
4.音を背景に(ひとりの想いから、みんなの想いの中へ)
参加者のみなさんから生まれた物語にそれぞれ山本さんが、ギターで即興演奏。はじめは音ナシで朗読していただき、2度目の朗読で音楽が入るとい流れでした。不思議だったのは、音楽が流れ出すと読まれる物語がふっくらと豊かに色彩を放ちはじめること。音楽と共鳴する参加者の中の物語が聴こえたように思います。ぼんやりとした想いの中から色の力を借りて自分なりの言葉として点描。そこから音楽の翼に乗せることで、自分の中で完結していた物語がその場にいるみんなの物語へと共有されていったように思います。色、言葉、音楽。町・自然、個人、共有。そんなキーワードが手に残るワークショップでした。
■フィードバック■
ワークショップ後はみんなで写真撮影をしたり、それぞれの情報共有をしたりといった時間を過ごしました。みなさん、初めてのことにいろいろ戸惑いもあったと思うのですが、終始ステキな笑顔で過ごして下さり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ご参加いただいたみなさん、開催にあたりご協力をいただきました大町の「やれることからやろう会」のみなさな、ありがとうございました。またぜひお目にかかりたいと願っています。
■アンケートから■
いただいたアンケートのフリーコメントをご紹介します。
□立ち止まりながら、大町をみつめることが必要と、改めて思っています。民話の伝承の活動をしていますが、役立てていきたいと思います。(大町市:50代女性)
□様々な切り口、意見、大変貴重なものでした。意見が出やすい環境づくりもとても勉強になりました。(大町市:40代男性)
□もう少し多くの方、年齢層も広く来ていただいて、いろんなお話をお聞きしたいとも思います。亀田さんのやさしいお話の進行とても心地よい時間を過ごしました。(大町市:50代女性)
□大町の知らなかった歴史も知ったり、大町の本通が花崗岩で出来ていた話を聞き、鮮やかにその風景が蘇り、とてもなつかしかったです。参加した方々の感性の良さに感心しました。ありがとうございました。(大町市:50代女性)
□こんな機会、何十年もありませんでした。ちょっと生き返った気がしました。(白馬村:50代女性)
□とても楽しかったです。もっと広くPRしても良いと思う。感性をフルに活かすことで見えなかったものが見えてくる。聞こえてくる…豊かな体験は豊かな発想につながと思う。(白馬村:60代女性)
□人によって感じ方とか考え方が違うのが興味深い。(大町市:50代女性)
□豊かな時間をありがとうございました。(大町市:50代女性)
□GOODでした。(大町市/東京:60代男性)
いただいたご意見やご感想をもとに、さらにステキな時間を創造できるようにしていきたいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!
深謝。 2009年6月13日(土) ATL 亀田恵子
★大町水物語のブログでは、写真入りでレポートがUPされています。みなさん、超ステキな笑顔です(笑)!
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次回は、8月22日(土)-23日(日)に松本市のヴィオパーク劇場にて
1.本木幸治さんによる舞踏ワークショップ with ATL
2.チャーリー宮本さん・タミコさんによる瞑想音楽とヨガ、アーユルベーダーミニ講座with ATL
を開催予定です。この時期、松本ではサイトウキネン音楽祭が開催中。ぜひ、お越し下さいませ!ご予約、お問い合わせ、お待ちしております。
artliteracy03☆yahoo.co.jp ATL 亀田まで。(☆を@に変更して下さいませ)
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